Sense of Wonder

個人的に読んで見て聞いて触って味わったモノについて書き留めているブログです。

侍タイムスリッパー

巷で話題の侍タイムスリッパーを見てきました。非常に面白かった。侍がタイムスリップして現代にやってくるっていう、何度も繰り返されたようなあるある設定なんだけど、脚本次第でこんな映画も作れるんだなと、感心しきり。

主演の山口馬木也さんも名前を知らない役者さんだったけど、とってもよかった。どこまで本当の方言に近いのかはわからないが、会津訛りの喋り方も人物像を際立たせていたと思う。自主制作映画だからこそ、こういう役者さんもいるんだと、気付かされるよね。人気俳優を使って脚本はそこそこ、とりあえず宣伝費はたくさん使ってコスパさいこーな映画ばっかりじゃダメだよ。

基本コメディ映画なので、侍が訳のわからない現代社会で生きていこうと奮闘するお話を、くすくす笑わせながら描いています。その中でいろいろな葛藤や憤り、平和な世の中であることの幸せなど様々な感情が入り乱れつつ、真剣勝負のクライマックスへと繋がっていきます。もう、最後の手に汗握る決闘シーンの場面の切り返しは、見事だった。

★★★★★ お勧め!

「カメラを止めるな!」と比較されることが多いみたいだけど、時代劇への愛情がハンパないこの映画は、自分で脚本書いて、主演にこだわり低予算ながらも映画への情熱を感じた「ロッキー」を思い出しました。

ラストマイル

「アンナチュラル」は、面白くて何回も見ている。この脚本書いた人ホントにすごいなと思って、それで知ったのが野木亜紀子さんでした。で、ちょっと調べたら昔見て面白いなと思っていたドラマの脚本いっぱい書いてるじゃないですか。「空飛ぶ広報室」「重版出来!」もちろん「逃げるは恥だが役に立つ」も。オリジナル脚本の「MIU404」もとても面白かった。

そんなわけで「ラストマイル」見ないわけにはいかない。「アンナチュラル」と「MIU404」の世界とひとつづきになったシェアード・ユニバース作品なのだ。
シェアード・ユニバースっていうのは、簡単にいうと、桃太郎と金太郎は別々のお話しだったのに、実はお友達でしたというようなことだ。どっかのCMのようだが、舟渡エレナ風に例えてみた。わかりにくかったらゴメン。

内容は、
消費者(私やあなた、あるいは子供二人を抱えたシングルマザー)がネットでポチッと買い物をする

外資系大手通販サイト:業務至上主義の五十嵐道元 日本支社統括本部長

巨大配送センター:主人公の舟渡エレナ センター長、梨本孔 チーフマネージャー

大手運送会社:板挟みの八木竜平 関東局局長

委託配送ドライバー:地道に働く佐野昭、佐野亘 親子

消費者
というシステムの中で無差別の爆弾テロ事件が起きて、事件解決に向けて警察が動き出す。でも、そこはそれ、悪い犯人を正義の味方がぶっ飛ばす方向には進まない。犯人は誰で、どうやって爆弾を仕掛けたのかなどミステリー要素は十分あるけれど、この物流業界のシステム自体がメインストーリーになっていく。エンターテインメントと社会の問題点を同時に描く脚本はさすが。
主人公の満島ひかりさんの頭をフル回転させてる感じも、岡田将生さんの少し落ち着いた感じもとてもよかった。

そんでもって、その捜査過程の中に「MIU404」や「アンナチュラル」の面々が絡んでいくのだけれど、あくまでも組織的捜査の歯車のひとつという感じ。事件解決に直結する活躍をするわけではない。でもそれがよかった。これらのドラマを見たことない人でも、問題なく見られたと思う。ただ、ドラマを見ていた人は、あの子がこんなところでとか、こっちで頑張ってたんだとか、細かいところで楽しめる。それになんか、いろんなところで活躍していた登場人物たちが番組が終わった後も生活が続いていて時が流れ、同じ世界で生きていたんだなって感じがして、それが映画の中で世界に広がりを持たせてくれたような気がする。不思議な感じのリアリティ。これが重たいテーマに現実味を持たせる隠し味になってるんじゃないかな。

ちょっとだけ残念だったのは、犯人の描写が少なすぎたこと。ここまでの無差別テロを起こすには動機が弱い気がして、もう少し掘り下げて欲しかったかな。

★★★★★ お勧めです。


映画館で入場の時にシールをもらった。ラッキー!。

エンダーのゲーム

エンダーのゲーム パンフレット

試写会。
「エンダーのゲーム」といえば、ネビュラ賞、ヒューゴー賞受賞の言わずと知れたSF小説の名作です。出てすぐ読んだはずだから、もう26、7年前ですか。オースン・スコット・カードの小説ではこの「エンダーのゲーム」と「ソングマスター」が今まで私が読んできたSF小説の中でもかなり上位に入ってくる作品でもあります。
そんな小説が映画化されるとなれば、見ないわけにはいきますまい。
結論から言えば、けっこういい線いってる。
難を言えば、エンダーの兄弟たちの話も含めて地球の状況というか、社会の様子が描けているとSF映画としてのリアリティが出せたんじゃないかと思う。予算の関係があるんだろうけど、地上で未来っぽくて実際に動いている自動車は1台しか出てこなかった。宇宙ステーションにお金をかけすぎちゃったのかな。バトルスクール内などは、それらしい表現でいい感じなんですけど。
お話は、宇宙人の侵略を受けた人類が、それに対抗するために天才的な才能を持った子供たちを集めて、兵士を育てるというもの。エンダーの天才っぷりとバトルスクールで頭角を現していく過程がなかなかの見どころです。
「ブレード・ランナー」のように、小説もおもしろかったけど、それ以上の映像を見せられた驚きみたいなものは、少なかったかな。
でも、「あの小説がこんな映画に・・・」的ながっかり感はなかったから、上出来でしょう。

あと、映画の宣伝でやたらとエヴァやらガンダムやら、挙句の果ては進撃の巨人やら、共通点を強調して「あのアニメの原点かも」なんて言っているのは、ぜんぜん違うと思う。それらのアニメ世代(幅広くカバーしてるね)を何とか惹きつけようと、無理やりこじつけてる感がプンプンでやだね。
だいたい日本のアニメなんて、ほとんど子どもが主人公なんだからさ。

★★★★


小説の方も新装版が出ています。アニメチックなカバーを被せてるのもあるみたいでトホホな感じだけど、大人が読んで十分読み応えのある本です。
だからオススメはKindle版で。

エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)
早川書房 (2013-12-13)
売り上げランキング: 58

大脱出

大脱出パンフレット

年始めの試写会。
全く期待していなかった分、けっこう楽しめました。かつてのアクション大スターが、たくさん集まればなんとかなるだろう系の映画かなと思っていましたが、割りとまともだった。
仕事として、身分を隠して刑務所などに入り、見事脱出して見せてその収容施設のセキュリティ上の不備を洗い出すのがスタローンです。
ところが罠にはまったスタローンが、謎の収容施設に放り込まれ、同じく収容されていた謎の人物シュワルツェネッガーとともに、脱出の道を探るという、知力を尽くした頭脳戦・・・になるのかとおもいきや、やっぱり最後は脳みそ筋肉系の二人。
まぁ、それはそれで、この二人が出ていて期待に答えない訳にはいかないだろうとの思いもあるのかも。
スタローンが、お医者さんに傷口を麻酔なしで縫ってもらって、ひっくり返って痛がるシーンはおもしろかった。
そんなところに、かつての主演映画を思い浮かべながら、楽しんで見られました。

★★★☆☆

風立ちぬ

風立ちぬ

試写会だよ。
宮崎駿監督作品のジブリ映画です。今回は子供向きじゃありません。
「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」とあるように、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を元に主人公を実在のゼロ戦設計者堀越二郎に置き換えて、夢に生きる男の情熱と愛を描いた、美しい映画です。
さらに言うならば、宮崎駿本人の姿もかなり投影されているのではないかと・・・完成試写会で宮崎監督が泣いたというのも、うなずける気がしました。
何かを成し遂げるために、夢だけをエネルギーに寝食を忘れて没頭していく男とそれを静かに見守る女性。今の世の中ではとても成り立たないだろうお話ですが、現在の日本があるのも、大震災や不況の中、こういう夢を持った人たちがいたおかげなんでしょうね。
今の日本に足りないものは、二郎のように志を持って突き進んでいく情熱なのかもしれません。

★★★★★ 星五つ