人類滅亡後の地球を支配する動物たち。今から5000万年後の地球、とうの昔に人類は滅び去り、地殻や気候の変動に合わせて進化していった動物たちが地上を歩き回っている世界を描いた図鑑です。
今現在の動物たち(人類を除く)が気候の変化などにどうやって対応し、どういう器官を発達させて対応していったのかを解説しながら、想像力をめいっぱい働かせて動物たちを描いています。
あくまでも今ある生態系の延長線上にある未来の動物です。
絶滅したクジラの後を引き継ぎ水棲動物の道を歩んだ体長12メートルのペンギンの子孫とか、草原の大型ネコ類に変わり獲物を狩る肉食動物となったヒヒの子孫だとか、逆に樹上生活に適応してサルのような体型になったネコ科の動物など。
一見、奇抜なようにも見えますが、進化の可能性としてはあるのかもしれません。
「地球絶滅動物記」に描かれていた大昔のデイノテリウム(鼻の短いゾウのように見えるけど、下あごから下に向かって牙が生えている)なんて、とっても奇妙に見えますが、そこにはたぶん必然があったのでしょう。
生まれては滅んでいく生物たちは、たとえ絶滅を繰り返しながらでも、環境に合わせて適応していくのだと思います。
そんな話はさておいて、見ていてとても楽しい一冊です。おすすめ。
私の持っているのは、旺文社のでかいハードカバーで、いかにも図鑑っていう感じです。今出回っているのは、ハードカバーサイズの復刻版のようですね。
当時の値段は、4000円でした。やっぱりこういうのは、図鑑の体裁をしている方がいいな。
ダイヤモンド社
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生物進化を見事に類推した良書
地球の創造力に乾杯!
人類っていったい・・・・
本当に実在する(であろう)動物と錯覚してしまうほど面白い!
エコツーリズムに参加し思った
他にドゥーガル・ディクソンの図鑑シリーズ(?)には、
- 「新恐竜 絶滅しなかった恐竜の図鑑」太田出版。
- 「マンアフターマン 未来の人類学」太田出版。
なんていうのもある。「新恐竜」は、恐竜が絶滅しなくてそのまま進化していったら今頃どんな姿になってるかというのを描いたもの。
恐竜の図鑑自体がそもそも身体の色とか毛が生えていたかいないかなんて想像しながら描いてる物だから普通の恐竜図鑑とたいしたちがわないような気もしますが。
「マンアフターマン」の方は、200年から500万年先までの人類の変化を描いたものです。ただしこれは、進化というものではなく、遺伝子レベルでの改変により環境に適応させていくという感じ。
文明の変化や科学技術の発達などは、解説では言及されてはいてもイラストだけ見ていると、単に野生の類人猿を遺伝子操作で好き勝手に変えてみましたという感じであまり好感は持てない。
こと人間に関しては、人類という種の進化よりも人類文明の進化を考えた方がよりリアルな未来を描けるのではないだろうか。