Sense of Wonder

個人的に読んで見て聞いて触って味わったモノについて書き留めているブログです。

エンダーのゲーム

エンダーのゲーム パンフレット

試写会。
「エンダーのゲーム」といえば、ネビュラ賞、ヒューゴー賞受賞の言わずと知れたSF小説の名作です。出てすぐ読んだはずだから、もう26、7年前ですか。オースン・スコット・カードの小説ではこの「エンダーのゲーム」と「ソングマスター」が今まで私が読んできたSF小説の中でもかなり上位に入ってくる作品でもあります。
そんな小説が映画化されるとなれば、見ないわけにはいきますまい。
結論から言えば、けっこういい線いってる。
難を言えば、エンダーの兄弟たちの話も含めて地球の状況というか、社会の様子が描けているとSF映画としてのリアリティが出せたんじゃないかと思う。予算の関係があるんだろうけど、地上で未来っぽくて実際に動いている自動車は1台しか出てこなかった。宇宙ステーションにお金をかけすぎちゃったのかな。バトルスクール内などは、それらしい表現でいい感じなんですけど。
お話は、宇宙人の侵略を受けた人類が、それに対抗するために天才的な才能を持った子供たちを集めて、兵士を育てるというもの。エンダーの天才っぷりとバトルスクールで頭角を現していく過程がなかなかの見どころです。
「ブレード・ランナー」のように、小説もおもしろかったけど、それ以上の映像を見せられた驚きみたいなものは、少なかったかな。
でも、「あの小説がこんな映画に・・・」的ながっかり感はなかったから、上出来でしょう。

あと、映画の宣伝でやたらとエヴァやらガンダムやら、挙句の果ては進撃の巨人やら、共通点を強調して「あのアニメの原点かも」なんて言っているのは、ぜんぜん違うと思う。それらのアニメ世代(幅広くカバーしてるね)を何とか惹きつけようと、無理やりこじつけてる感がプンプンでやだね。
だいたい日本のアニメなんて、ほとんど子どもが主人公なんだからさ。

★★★★


小説の方も新装版が出ています。アニメチックなカバーを被せてるのもあるみたいでトホホな感じだけど、大人が読んで十分読み応えのある本です。
だからオススメはKindle版で。

エンダーのゲーム〔新訳版〕(上)
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大脱出

大脱出パンフレット

年始めの試写会。
全く期待していなかった分、けっこう楽しめました。かつてのアクション大スターが、たくさん集まればなんとかなるだろう系の映画かなと思っていましたが、割りとまともだった。
仕事として、身分を隠して刑務所などに入り、見事脱出して見せてその収容施設のセキュリティ上の不備を洗い出すのがスタローンです。
ところが罠にはまったスタローンが、謎の収容施設に放り込まれ、同じく収容されていた謎の人物シュワルツェネッガーとともに、脱出の道を探るという、知力を尽くした頭脳戦・・・になるのかとおもいきや、やっぱり最後は脳みそ筋肉系の二人。
まぁ、それはそれで、この二人が出ていて期待に答えない訳にはいかないだろうとの思いもあるのかも。
スタローンが、お医者さんに傷口を麻酔なしで縫ってもらって、ひっくり返って痛がるシーンはおもしろかった。
そんなところに、かつての主演映画を思い浮かべながら、楽しんで見られました。

★★★☆☆

風立ちぬ

風立ちぬ

試写会だよ。
宮崎駿監督作品のジブリ映画です。今回は子供向きじゃありません。
「堀越二郎と堀辰雄に敬意を込めて」とあるように、堀辰雄の小説「風立ちぬ」を元に主人公を実在のゼロ戦設計者堀越二郎に置き換えて、夢に生きる男の情熱と愛を描いた、美しい映画です。
さらに言うならば、宮崎駿本人の姿もかなり投影されているのではないかと・・・完成試写会で宮崎監督が泣いたというのも、うなずける気がしました。
何かを成し遂げるために、夢だけをエネルギーに寝食を忘れて没頭していく男とそれを静かに見守る女性。今の世の中ではとても成り立たないだろうお話ですが、現在の日本があるのも、大震災や不況の中、こういう夢を持った人たちがいたおかげなんでしょうね。
今の日本に足りないものは、二郎のように志を持って突き進んでいく情熱なのかもしれません。

★★★★★ 星五つ

エクスペンダブルズ2

試写会。シルヴェスター・スタローンは、今回脚本と主演。監督はサイモン・ウェスト(コン・エアーの人)。ブルース・ウィリスとアーノルド・シュワルツェネッガーは前回よりちょこっと出演時間が増えた。ジェット・リーも最初の少しだけ。チャック・ノリスもふらっと出てくる流しの傭兵みたいな役。久々に見たジャン=クロード・ヴァン・ダムは悪役。

これだけ大勢のアクションスターが集合したらまとまるものもまとまらなくなりそうだが、心配ご無用。そもそもストーリー自体があってないようなものだから、ただひたすら銃器を撃ちまくって、ナイフが飛び交って、血しぶきをまき散らしながら首が吹っ飛ぶだけの映画だ。
エクスペンダブルズ3はきっとスティーブン・セガールやハリソン・フォードが出てくるんじゃないかな。
そんでもって、4とか5あたりには最新映像技術を駆使してターミネーター4のシュワちゃんみたいに、みんな若いころの姿で復活。ついでにブルース・リーとかスティーブ・マックイーンとかも出しちゃおう。
ここまできたら行くとこまで突き進むしかないね。それはそれで楽しみな映画ではある・・・

私としては、残酷シーンよりも笑えるシーンをもう少し散りばめてくれるといいんだけどね。

★★☆☆☆

マネーボール

試写会。
ブラッド・ピットが、野球選手からゼネラルマネージャーになった実在の人物、ビリー・ビーンを演じる。
貧乏弱小チームが低予算で勝つために、新しい理論を実践していく男の信念の物語。
メジャーリーグ版プロジェクトX。

中年男のブラッド・ピットも相棒のピーターもなかなかいい味を出しています。
でも映画としては、ちょっと物足りないかな。
「ソーシャル・ネットワーク」のような映画的手法を駆使してる感じもないし、淡々とお話が流れていく感じ。
別にそれが悪いというわけでもないし、お話が面白くないというわけでもないんだけど・・・
別れて住んでいる12歳の娘が父親のために歌を聞かせるシーンなんて、とっても良い感じだし、選手の評価される痛みや抵抗勢力との葛藤なんかは、映画としてよく描けていたと思う。

肝心のマネーボール理論自体は、映画で見るよりも実際のデータを咀嚼できそうな本で読んだほうが理解しやすいんじゃないかなと思いました。本、読んでないけど。

★★★☆☆ 星みっつ