Sense of Wonder

個人的に読んで見て聞いて触って味わったモノについて書き留めているブログです。

たたかう植物 ──仁義なき生存戦略

アメリカでは、セイタカアワダチソウと大昔から戦いながら進化を遂げてきたまわりの植物は、セイタカアワダチソウが出す毒成分に対する防御の仕組みを発達させている。こうして、バランスがとれているので、セイタカアワダチソウばかりが広がってしまうということはないのだ。ところが、日本の植物は、新しく帰化したセイタカアワダチソウの化学物質に対して、防御する仕組みを持っていなかった。もちろん、日本の植物も根からさまざまな物質を出すが、セイタカアワダチソウを攻撃する効果的な物質を持っていなかったのかも知れない。

たたかう植物 ──仁義なき生存戦略 著者:稲垣栄洋

美しい花に癒やされたり、爽やかなハーブの香りにリラックスしたり、潤いのある生活にお花は欠かせないよねぇ、なんて思っていたら、その裏ではとんでもない戦いが繰り広げられていた!
人間にとっては感覚神経を適度に刺激してくれる素敵な香りも、昆虫たちにとっては有毒な化学物質なのだ。それは植物対昆虫に限らず、植物同士であっても互いに熾烈な勢力争いの武器でもある。
さすが、人類ごときとは生きてきた年数が違うねぇ。植物にとって、昆虫や野鳥、人間も含めた動物なんて、植物たちの生存範囲を広げるための単なる道具に過ぎないのかもしれない。
なんてことを、本気で考えさせられる本です。オススメ!