Sense of Wonder

個人的に読んで見て聞いて触って味わったモノについて書き留めているブログです。

未来世紀ブラジル

未来世紀ブラジル


テリー・ギリアム監督による、近未来の情報管理社会を描くディストピア映画。

時は、20世紀。って、もうすでに過去の時代ですが、1985年時点ではまさに近未来。イメージ的には、それこそレトロフューチャーです。タイプライター型のキーボードにディスプレイは、小型のブラウン管をフラットなレンズで拡大してるし、やたらと大量の書類が入り乱れ、部屋の中には、様々なダクトがはい回る。
管理された社会の中で管理する側に立っていたはずの主人公が、一歩まちがうといつの間にか追われる側になってしまう・・・
なんていう暗いテーマは、どこかへ吹き飛んでしまうようなイメージの奔流。
主人公サムの妄想同様、テリー・ギリアム監督の頭の中身をぶちまけたような訳のわからない小道具や映像に身をゆだねることが出来るかどうかが評価の分かれ目でしょう。

それにしても配管工タトルを演じているのがロバート・デ・ニーロ。こんな映画(失礼)の重要だけどもちょい役に平気で出演しちゃうなんて、凄いです。しかも嬉々として演じてるのが伝わってきてとっても楽しそう。タトルが装着するライト付きのメガネも自分でデザインしたそうです。チカラ入ってます。
そういえば、同じ監督の「バンデットQ」でもショーン・コネリーがちょい役で出てましたね。

未来世紀ブラジル
監督:テリー・ギリアム
出演:ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ

映画を見たついでに一緒に読むとおもしろいのが、


「バトル・オブ・ブラジル」未来世紀ブラジルーハリウッドに戦いを挑むー
ジャック・マシューズ 著
ダゲレオ出版

監督のテリー・ギリアムと大手映画会社社長のシドニー・シャインバーグとの「未来世紀ブラジル」の上映を巡る戦い。芸術と商売の対立を描いたノンフィクションです。映画業界の裏側や映画撮影の過程などが満載の一冊です。
アマゾンにも出ていないようなので、古本屋で探してみてください。