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2009年10月28日

ホワイトアウト

「ホワイトアウト」試写会に行ってきました。織田裕二の邦画じゃないよ。
南極で起きた殺人事件の話です。
ちなみに邦画の方のホワイトアウトは期待したほどじゃなかったけど、真保裕一原作の小説は非常におもしろくておすすめです。
話がそれました。
南極大陸で殺された隕石調査チームの地質学者。それを調査する、基地に勤める米国連邦保安官キャリー・ステッコ。
ミステリーというほどの謎でもないし、どちらかというと極寒の猛吹雪の中で殺人鬼に追いかけ回されるサスペンス映画。いや、ホラーに近いかも。
上映時間は1時間40分くらいで、ダラダラ長くないのはいいんですが、登場人物同士の人間関係や、南極基地同士の位置関係、基地の間取り、棟のつながりなどさりげなく説明してもらえるとわかりやすかったのになと、思いました。カットされちゃったのでしょうかね。

デートには向きません。グロテスクな死体が出てきたりするので、そういうのが苦手な人もやめたほうがいいかも。ペンギンさんとかかわいい動物も出てきません。国家間にまたがるの巨大な陰謀とかもありそうでいて、全くありません。サスペンス、ミステリー、ホラー全部中途半端。

氷点下50度、寒くてふるえる映画が好きな人向けです。そんな人いるのかって?・・・私はけっこう好きです。真冬の吹雪いている夜に観たい映画でした。

50点。


ついでだから私のような、氷の世界好きにおすすめの本も紹介しておこう。

白銀の聖域 (創元推理文庫)
マイケル ムアコック
東京創元社

マイケル・ムアコック作「白銀の聖域」です。
氷河期により氷におおわれた世界を描く、冒険SFです。目指すは伝説の都市、ニューヨーク!
ヒロイックファンタジーではありません。寒い夜にふとんにくるまって読むのがいいでしょう。

2007年8月12日

「宇宙戦争」いろいろ

字が読めるようになって、初めて買ってもらった本がSF絵どうわ「火星人がせめてきた」でした。
H・G・ウェルズの「宇宙戦争」です。これで、SF小説好きが決定されてしまったのですね。
何度も何度も読み返したのを覚えています。白旗を持ったオーグルビーたちの行進や、戦艦が三本脚機械に体当たりする場面がいまだに脳みそに焼き付いています。
それこそ小説や、映画など巷にあふれかえっている、宇宙からの侵略ものの元祖です。

宇宙戦争

宇宙戦争
H.G. ウエルズ H.G. Wells 著
斉藤 伯好 訳
早川書房 (2005/04)

19世紀末、ロンドン近郊に直径25メートルを超える巨大な円筒形の物体が落下。
中からおぞましい生物が現れた。
天文学者オーグルビーを含む地球人代表団が近づくが、意思の疎通もはかれぬまま円筒から照射された熱線が無造作に代表団を薙ぎ払う。
こうして火星人の地球侵略が始まった。
やがて次々に飛来する円筒形ロケットから高さ30メートルもある3本脚の金属製の怪物が現れ、熱線と黒い毒ガスで村や街を破壊していく。
主人公「わたし」も妻とともに馬車で自宅から20キロ離れた妻の従兄弟たちのもとへと逃げ出していた。
「わたし」は破壊された街の中で生き延びることが出来るのか。いや、人類が火星人の恐ろしい戦闘機械に対して抵抗するすべはあるのか。
侵略テーマSFの古典です。

翻訳は、たくさん出ていますが、数年ぶりに読み返してみたのは、ハヤカワ文庫斉藤伯好氏の新訳決定版と銘打っているもの。文字も大きめで(最近、目が遠くて)今風の訳で読みやすいことは読みやすい。
ただ、言葉遣いがあんまり現代的すぎて、「戦闘マシーン」だとか、「ビーム」なんて言い回しが19世紀のロンドンの雰囲気を壊しているような気もします。


おまけ

シャーロック・ホームズの宇宙戦争

シャーロック・ホームズの宇宙戦争
マンリー・W・ウェルマン & ウェイド・ウェルマン t著
深町 真理子 訳
東京創元社

19世紀末といえば、ロンドンで活躍していたのがシャーロック・ホームズです。火星人がやって来たとき、ホームズがどうしていたのかというと、この本を読めばわかります。
登場人物は、もうひとり。同じくコナン・ドイルの小説「失われた世界(ロストワールド)」でアマゾンまで恐竜を探しに行ったチャレンジャー教授です。
このふたりが火星人を相手に冒険を繰り広げます。ただし、このふたりをもってしても、火星人を直接やっつけるところまではいかないところが残念。


さらにおまけ

火星人類の逆襲

明治四十四年八月、帝都東京をおそう怪異な機械。それは、十三年前にロンドンを襲った火星人類の戦闘機械だった。
帝都の危機に立ち上がるのは、イギリスがシャーロック・ホームズや「失われた世界」のチャレンジャー教授なら、日本は、空想科学小説「海底軍艦」の作者、押川春浪と吉岡信敬らバンカラ集団「天狗倶楽部」の面々であった。

読みどころは、実在の人物たちや歴史の出来事を織り交ぜながら、丹念に描かれた明治の情景や風俗です。 こちらはシャーロック・ホームズたちと違って、「天狗倶楽部」の痛快な活躍も楽しめます。


もひとつおまけに

トリポッドシリーズ

トリポッド 1 襲来
ジョン・クリストファー 著
中原 尚哉 訳
早川書房 (2004/11/09)

ジュブナイルSFです。設定は、「宇宙戦争」と同じである日、宇宙のどこかから3本脚の戦闘機械とともに侵略者がやってきます。
ただ、侵略の方法が違います。力ずくに破壊を進めるわけではなく、じわりじわりと静かに、確実に地球人たちを支配していきます。気づいたときには、周りの人たちが皆侵略者たちに洗脳されてしまっています。
このシリーズは、そうしてすっかり支配されてしまった地球で一握りの人々が抵抗を続ける物語です。

1巻から4巻まであり、1巻目はどうやって人類が支配されていったかのお話で、2巻目以降はそれから100年後の侵略者に飼い慣らされてしまった人類のお話です。2から4巻は、まとめて買って一気読みがお勧め。

2007年6月10日

アフターマン

人類滅亡後の地球を支配する動物たち。今から5000万年後の地球、とうの昔に人類は滅び去り、地殻や気候の変動に合わせて進化していった動物たちが地上を歩き回っている世界を描いた図鑑です。
今現在の動物たち(人類を除く)が気候の変化などにどうやって対応し、どういう器官を発達させて対応していったのかを解説しながら、想像力をめいっぱい働かせて動物たちを描いています。
あくまでも今ある生態系の延長線上にある未来の動物です。
絶滅したクジラの後を引き継ぎ水棲動物の道を歩んだ体長12メートルのペンギンの子孫とか、草原の大型ネコ類に変わり獲物を狩る肉食動物となったヒヒの子孫だとか、逆に樹上生活に適応してサルのような体型になったネコ科の動物など。
一見、奇抜なようにも見えますが、進化の可能性としてはあるのかもしれません。
地球絶滅動物記」に描かれていた大昔のデイノテリウム(鼻の短いゾウのように見えるけど、下あごから下に向かって牙が生えている)なんて、とっても奇妙に見えますが、そこにはたぶん必然があったのでしょう。
生まれては滅んでいく生物たちは、たとえ絶滅を繰り返しながらでも、環境に合わせて適応していくのだと思います。
そんな話はさておいて、見ていてとても楽しい一冊です。おすすめ。

私の持っているのは、旺文社のでかいハードカバーで、いかにも図鑑っていう感じです。今出回っているのは、ハードカバーサイズの復刻版のようですね。
当時の値段は、4000円でした。やっぱりこういうのは、図鑑の体裁をしている方がいいな。

アフターマン 人類滅亡後の地球を支配する動物世界
ドゥーガル・ディクソン 今泉 吉典
ダイヤモンド社 (2004/07/09)
売り上げランキング: 21306

他にドゥーガル・ディクソンの図鑑シリーズ(?)には、

  • 「新恐竜 絶滅しなかった恐竜の図鑑」太田出版。
  • 「マンアフターマン 未来の人類学」太田出版。
なんていうのもある。「新恐竜」は、恐竜が絶滅しなくてそのまま進化していったら今頃どんな姿になってるかというのを描いたもの。
恐竜の図鑑自体がそもそも身体の色とか毛が生えていたかいないかなんて想像しながら描いてる物だから普通の恐竜図鑑とたいしたちがわないような気もしますが。
「マンアフターマン」の方は、200年から500万年先までの人類の変化を描いたものです。ただしこれは、進化というものではなく、遺伝子レベルでの改変により環境に適応させていくという感じ。
文明の変化や科学技術の発達などは、解説では言及されてはいてもイラストだけ見ていると、単に野生の類人猿を遺伝子操作で好き勝手に変えてみましたという感じであまり好感は持てない。
こと人間に関しては、人類という種の進化よりも人類文明の進化を考えた方がよりリアルな未来を描けるのではないだろうか。

2007年5月10日

巨大生物図鑑

巨大生物図鑑
デイビッド ピーターズ
偕成社 (1987/12)

古今東西、地球上に現れた巨大生物の図鑑です。恐竜はもちろん、絶滅した動物から今生きているものまでいろんな生物がきれいなイラストで描かれています。
この図鑑の特徴は、それらの生物がどのくらい大きいかわかるようになっているところです。ティラノサウルスや地上オオナマケモノの隣に同じスケールで人間の男性と女性が描かれています。時にはジャージ姿でジョギング中、時には水着でのんびり泳いでいたり。
ものの大きさを想像するのって結構むずかしいよね。身長3メートルの巨大カンガルーなら部屋の天井を頭が突き破るくらいかなとか、全長24〜27メートルのシロナガスクジラだと25メートルプールからあふれてしまうなとか、よく知ってる身のまわりの物と比較しながら考えないとなかなかイメージできません。
そんなときこの図鑑を開けば、人間と並んで巨大生物がどーんと描かれているわけです。一目瞭然。やっぱりでかいわ。ってな感じです。

アマゾンで見たら、新刊は出ていませんでした。ユーズド価格で9790円だって?買ったときの定価は3800円だったのに。
さすがに79ページくらいの本に9000円も出すのはどうかと思うけど・・・

姉妹編に 「恐竜科学図鑑」デイビット・ピーターズ作、偕成社、定価4000円。
というのも出ていて、こちらはいろいろな恐竜と一緒に同スケールの子供たちが描かれています。
恐竜の背中に子供がまたがっていたりして、これじゃ怪獣王子じゃん(って古すぎてわからない人は読み飛ばしてください)

どちらかというと、「巨大生物図鑑」のほうがおもしろかった。恐竜はもちろん、今生きてる生物までひっくるめて一緒に描かれているから、絶滅生物もより身近に感じられます。
トリケラトプスくらいなら動物園でアフリカゾウの隣にいても全然違和感ないかもしれない。
楽しめる一冊です。古本屋で3000円くらいならいいかも?

恐竜科学図鑑
デイビッド ピーターズ
偕成社 (1990/12)

2007年4月10日

地球絶滅動物記

恐竜時代の終焉以降に現れた動物たちの生態と、そして絶滅を解説したカラー図鑑です。
史上最大の哺乳類バルキテリウムや街中で見かけたら着ぐるみにしか見えないような身長1.5メートルのジャイアントペンギンなど、姿を消していった動物たちが描かれています。
身体の前半分だけが縞模様のクアッガ(シマウマの一種)なんて、この図鑑を見るまで知りませんでした。 しかも最後の一頭が死んだのは、1883年。
残念なのは、この魅力的な動物たちの絶滅に人類が少なからず関わっているということです。
今現在も絶滅危惧種が話題になることがありますが、それらがいったいどういう生態で、なぜ生存が危ぶまれているのか、考える上でも貴重な一冊です。
どんな生き物なのかを知る、想像力を働かせることが大切です。